変分法・変分学を学ぶオンライン教科書PDF。物理数学や量子化学に役立つ関数解析的アプローチ
変分法・変分学を学ぶための,講義ノートPDF。
変分法は物理数学の必須テーマで,
- 「汎関数の停留点,つまり最適な関数や,最適な曲線を見つける」
- 「オイラー・ラグランジュ方程式を導出する」
といったテーマに役立つツールだ。
この考え方を応用した「変分学的なアプローチ」も,数理物理のあちこちに顔を出す。
変分法は「関数空間の中から,最適な関数を見つけ出す」という作業なので,関数解析学の重要な成果の一つである。
関数解析のノートはこちらを参照。
また変分法が応用される分野としては,解析力学のノート,量子化学のノートを参照。
(1)変分法の入門
物理数学の1ジャンル・解析力学のツールとしての変分法。
まず幾何学的な観点で,変分法の初歩的な入門:
変分法の入門編
http://minami106.web.fc2.com/math/hen...
- 9ページ。初歩的な入門。二点を結ぶ長さを例に,第一変分公式まで。
1.1 2点A,Bを結ぶ線分とは何だろう?
1.2 変分問題
1.3 関数,汎関数の変分
1.4 おわりに
長さが最短の線で2点を結ぶ
http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/~naka...
- 21ページ,京大。
1 直線
2 極小ネットワーク
3 球面上の2点を長さが最短の曲線で結ぶ
4 ポアンカレ円板-非ユークリッド幾何学
5 球面の正確な地図を書く
6 変分法入門
7 極小曲面
物理学的な入門:
変分問題入門
http://www.math.tohoku.ac.jp/~sa6m07/...
- 4ページ,2011年。
変分問題とは?
変分学の基本補題
Euler-Lagrange方程式
平面上の最短線
最速降下線問題
懸垂線(カテナリー)
第4章 変分法
http://www2.kaiyodai.ac.jp/~takenawa/...
- 7ページ。最速降下問題と,球面上の最短距離が題材。
4.1 制約なし変分問題
4.2 制約付き変分問題
Chapter16 Variational Methods
http://galileo.phys.virginia.edu/clas...
16.1. Classical Variational Calculus
16.2. Hamilton's principle
16.3. The Role of Symmetry
16.4. Variational Problems in Continuous systems
16.5. Bilinear Functionals
16.6. Feynman-Hellman Theorem
京大・数理解析研究所の講究録で,かなり詳しく変分法の導入された歴史的な経緯を学べる:
変分法のポジションについての見方:
変分法小考
http://hb3.seikyou.ne.jp/home/E-Yama/...
- 解析力学などでよく出てくる変分法の基本的な考え方。6ページ。
- 力学では関数y(x)を含むある関数(=汎関数)の定積分の停留値(極値)を求めることが極めて重要な課題となります。この問題を扱う数学は変分学といわれています。技術的には、難しいことをいわずEuler-Lagrangeの方程式を解けばよいということになります
変分法
http://www.moge.org/okabe/temp/eigen/...
- 力学では変分法そのものを使うかというと、それは極めて稀である。大部分の問題では、変分法により導かれた Lagrange 方程式そのものを利用することが多い
- しかし、経路積分の変分法による考え方は量子力学でも利用されるなど、 この概念を知っていることは決して無駄ではない。
サイクロイドの変分学
http://www.geocities.jp/ikuro_kotaro/...
- サイクロイドは重要な性質をもっていて [1]最速降下線 [2]等時曲線 などいくつかの興味深い特性があります.最速降下線の問題は典型的な変分の問題
- サイクロイドを用いると,周期が振幅に依存しない正確に等時性をもった振り子を作ることができます.
サイクロイドの変分学(その2)
http://www.geocities.jp/ikuro_kotaro/...
- 「最速降下線」の問題を最初に定式化したのはガリレオです.彼は直線軌道では最速降下にならないことに気づいていた
(2)変分法的なアプローチの,工学的な応用
工学上の計算に変分法を応用:
微積分の先にあるもの〜変分法から有限要素法まで〜
http://home.hiroshima-u.ac.jp/kyoshid...
- 数学的ツールに「有限要素法」がある。この有限要素法は,数学の一分野である「変分法」 を背景としていて理論的もしっかりしている
変分法
例題 最速降下曲線,懸垂曲線
オイラー方程式
直接法
リッツの方法
ガレルキン法
有限要素法
1次元有限要素法
1次元テント関数
例題(リッツ法)
付録(2次元有限要素法
2次元テント関数
例題(ガレルキン法)
変分法(変分学)のアプローチでコンピュータビジョン・画像処理を学ぶ講義動画。Youtubeでミュンヘン工科大の講義を視聴
http://study-guide.hatenablog.jp/entry/20150304/p1
- コンピュータビジョンを扱う際の,最小二乗法的な考え方として変分法を利用
古典変分解析より確率場の変分へ
http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/~kyod...
- 10ページ。ホワイトノイズ解析など情報理論の側面で,変分法が役立ってきたことを振り返る。
量子力学・量子化学の変分原理:
化学者のための 密度汎関数理論
http://rare-events.org/tsuneda/Kyoto-...
- スライド形式,212ページ,山梨大学。量子化学の基礎から変分法へ。
Chapter 4 The Variational Method
http://www.fisica.uniud.it/~giannozz/...
- 10ページ。シュレディンガー方程式のために。
4.1 Variational Principle
4.2 Secular problem
4.3 Plane-wave basis set
4.4 Code: pwell
(3)関数解析の視点での変分学
偏微分方程式を解くためのツールとしての変分法:
Introduction to Variational Methods in Partial Differential Equations and Applications(偏微分方程式に対する変分法の入門と応用)
http://www.cmi.univ-mrs.fr/~bradji/va...
- A Summer Course at Michigan State University
- ミシガン大,138ページ,2008年。
Chapter 1. Preliminaries
1.1. Banach Spaces
1.2. Bounded Linear Operators
1.3. Weak Convergence and Compact Operators
1.4. Spectral Theory for Compact Linear Operators
1.5. Nonlinear Functional Analysis
Chapter 2. Sobolev Spaces
2.1. Weak Derivatives and Sobolev Spaces
2.2. Approximations and Extensions
2.3. Sobolev Imbedding Theorems
2.4. Equivalent Norms
Chapter 3. Existence Theory for Linear Problems
3.1. Differential Equations in Divergence Form
3.2. The Lax-Milgram Theorem
3.3. Garding's Estimates and Existence Theory
3.4. Symmetric Elliptic Operators
Chapter 4. Variational Methods for PDEs
4.1. Variational Problems
4.2. Multiple Integrals in the Calculus of Variations
4.3. Direct Method for Minimization
4.4. Minimization with Constraints
4.5. Mountain Pass Theorem
4.6. Nonexistence and Radial Symmetry
Chapter 5. Weak Lower Semicontinuity on Sobolev Spaces
5.1. The Convex Case
5.2. Morrey's Quasiconvexity
5.3. Properties of Quasiconvex Functions
5.4. Polyconvex Functions and Null-Lagrangians
5.5. Existence in Nonlinear Elasticity
5.6. Relaxation Principles
VARIATIONAL METHODS FOR NONLINEAR PARTIAL DIFFERENTIAL EQUATIONS (非線形偏微分方程式のための変分法)
http://wakespace.lib.wfu.edu/bitstrea...
- The objective of this work is to explain some basic aspects of variational methods for solving a class of nonlinear partial differential equations.
- 修士論文。
Chapter 1 Introduction
Chapter 2 Preliminaries
Chapter 3 Functional Analysis
Chapter 4 Weak Topology
Chapter 5 Function Spaces
Chapter 6 Sobolev Spaces
Chapter 7 Variational Analysis in C∞
Chapter 8 Variational Analysis in W(1;q)
Chapter 9 Free Boundary Problems
Chapter 10 Conclusion
A variational method for a class of parabolic PDEs(放物型偏微分方程式の一種のための変分法)
https://www.ma.utexas.edu/users/figal...
- 論文。内容はバリバリの関数解析
シュツルム・リウビル問題を解くための変分法,動画で学ぶ:
▶ Variational method for the regular generalized fractional Sturm – Liouville problem - Nimisha Pathak - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=C4BYq...
- 2015/01/23 に公開, by SIU Math
(4)変分学の参考書
変分学を集中的に扱った参考書は,あまり多くない。
- 朝倉書店「変分学入門 (基礎数学シリーズ)」:
- 微積分学から関数解析へ発展する過程において無視できない重要な分野・変分学の入門書。最大・最小の問題、等周問題、変分学の問題の会を実際に求める方法などを解説する。1978年刊の復刊。
- 岩波書店「変分問題入門―非線形楕円型方程式とハミルトン系」
- 微分方程式の解の存在問題に対する変分的アプローチについて、入門的解説を行う。はじめに、非線形関数解析の基礎である関数空間上の汎関数の臨界点の存在問題を、最小化法、ミニマックス法を通じて論じる。応用として非線形楕円型方程式やハミルトン系、とくに周期解を取り上げ、さらに2体問題型のラグランジュ系を紹介する。
- 内容の要約:http://d.hatena.ne.jp/ryamada/20140712/1405130966
- 日本評論社「変分学」(数理物理学方法序説5)
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