外国人に出会った時に仲良くなるための,最低限の必須フレーズ集 (どの言語にも当てはまる,基本の初歩会話集のテンプレート)
どんな言語を学ぶ時にも,下記のリストにある言葉をまず覚えよう。
そうすれば,その言語を話す人に会った時に,すぐ友達になれる。
これは,「対人関係の構築の開始」に的を絞ったフレーズ集だ。
必要最小限の言い回しだけを厳選した。
サンプルとして,英会話の例文を掲載してある。
このリストは,どんな言語にも当てはまる「テンプレート」である。
何かの言語を学ぶ際の「最初の目標」として設定し,
これらの基本フレーズが口をついて出てくるように訓練しておくとよい。
覚える事の数が少ないので,一歩目のとっかかりとして設定しやすい。
最低限の必須フレーズ集
日本語 | 内容と必要性 | 英語の場合 (典型的) | |
---|---|---|---|
1 | こんにちは | 朝昼晩を問わず使える挨拶。 時間帯に関わらず,相手に 話しかけている事が伝われば ひとまずOK。まずは会話を 始めないと何も起きない。 | Hello! |
2 | ちょっと すみません | 質問したい場合や, 相手を呼びとめる場合に。 相手への呼びかけの言葉。 質問を丁寧に述べられる。 | Excuse me. |
3 | あなたは 〜語を 話しますか? | 会話の開始のために必要。 この言語で話す土台となる。 当言語の話者でない場合もある。 動詞と疑問文の基礎。 「日本語を話しますか」も言えば 以降の会話で日本語を使える。 「あなた」という語は後々重宝。 | Do you speak English? / Can you speak Japanese? |
4 | はい,いいえ | 自分の意思表示のために。 相手の事実確認のためにも。 | Yes. No. |
5 | お会いできて 嬉しいです (初めまして) | 初回の対面の決まり文句。 相手との関係が開始した事を しるし付けるフレーズ。 | I'm glad to see you. |
6 | 私の名前は 〜です | 自己紹介の第一歩。 相手との個人的な関係のために 最初に必要。 | My name is 〜. |
7 | 私は〜語を 学んでいます | 自分がなぜその言語で話して いるのかを説明し,相手の 不審感や心配を取り除く。 学び中なのでペラペラではない という意も同時に伝えられる。 | I study English. |
8 | 私は 日本人です | その言語のネイティブなのかと 誤解される場合があるため。 いざという時の護身にも。話が わかりませんという意にもなる。 自分は外国人だとわかるため。 「わたし」という語は後々重宝。 | I am Japansese. |
9 | あなたの お名前は? | 相手に関する情報をしゃべって もらう第一歩。人間関係形成の 第一歩でもある。 丁寧な声のトーンで尋ねること。 「ちょっとすみません」の後で。 | What is your name? ※丁寧でない |
10 | どうぞ書いて 下さい。 | 聞き取れない場合に。 記録を保管したい場合にも。 動詞の命令形の初歩でもある。 命令形は丁寧な言い方を。 | Please write. |
11 | 〜さん | 男性や女性によって,たいてい 敬称の付け方が異なる。 名前を聞いたら,さん付けで 呼び直して,敬意を示す。 言わないと警察の尋問みたい。 | Mr, Ms |
12 | ありがとう | 感謝を伝える言葉。 相手との友好的な関係を 築くために必須で,多用する。 別れの挨拶の代用にも。 | Thank you! |
13 | 私は〜に 住んでます | 相手の心配を除去するために。 ここまで来れば十分会話成立。 近所と分かれば友になれる。 近所の地図などをメモで書く。 | I live in 〜. |
14 | あなたは どちらの 出身ですか | 相手に関心を持っている事を 表明できる。地図を持参して 指さしてもらうとなおよい。 その地名について会話も弾む。 次回の会話のネタにもなる。 「どこ」という疑問詞の文。 | Where are you from? |
16 | ようこそ 日本へ。 | 相手の存在を 受け入れているのだと伝達。 家や外出先や食事で会った時も ようこそという歓迎は必須。 | Welcome to Japan. |
16 | どうぞ | 何かを渡して読んでもらう場合など。 表現不能時に紙を見てもらう等。 連絡先を書いた名刺とか。 これで関係が持続する。 何かプレゼントをあげてもよい。 「どうぞ」の意さえ伝われば, 後に続く「読め・受け取れ」 等の単語は自動補完される。 | Please. (Please read.) |
17 | ごめんなさい | 言語が不慣れだと,思わぬ 言動で迷惑をかける場合も。 トラブルを回避するために。 ジェスチャーを付随すれば わかりませんの意にもなる。 要りません・結構の意にも。 | Sorry. |
18 | さようなら | 会話を終わらせるために必要。 次回平和裏に再会できるように。 不必要に会話が長引かぬよう。 別れ際には,自分が勉強中な ことや,近くに住んでいること 等を再度言えば再会しやすい。 | See you! |
なお本当に時間がなくて緊急の場合は,下記の2つ(3つ)だけでもよい。
- こんにちは。
- ありがとう。
- (さようなら。)
このリストは,外国語を習得する上で,どう役立つのか?
これは,「対人関係の構築」のための,最初歩のテンプレートだ。
この段階では,まだ文字の読み書きができなくてもよい。
上手に発音できたらかっこいいけども,それよりも先に,
カタカナでメモしたのを,たどたどしく読み上げるだけでもよい。
本当は,言語の学習ではカタカナは最大の禁じ手であり,発音習得は非常に大事。
でも発音は,「これらの最初歩フレーズをうまくしゃべるため」
という目的で,この直後の段階に,後付けで学習してゆけば良い。
そうすれば,発音の勉強期間中にも,明確で具体的な目標が設定できる。
そんな初歩的なカタカナ言葉の状態でも,
言うべき事を厳選して,よくおさえておき,心をこめて話せば,
相手との十分な関係構築の助けになる。
英会話の場合は,世間の状況からして,
ここに挙げた以上のレベルを要求される場合が多いだろう。
しかし
- 「英語以外の言語を,少しかじってみよう」という場合や,
- 少数派のマイナーな言語を話す場合
であれば,ここに挙げたリストを使えるだけでも既に,
「会話ができる」状態である,とみなせる。
特に少数派の,マイノリティに属する言語の場合は,
相手は,自分の母語を使ってくれる人が周りにいる,などと
夢にも思わない。
たとえ一言でも,自分の母語で聞いたり話したりできるなどとは
期待しておらず,不安感を感じていたりする。
だから,その人の母語での初歩の会話に,
カタカナでトライするだけでも,その努力は非常に喜ばれる。
友人にもなりやすいし,その後の関係が持続する。
なので,
とくに「対人関係の構築の開始」に焦点を当てた冒頭のリストに
まず手を付けてみるのは,試す価値のある事と言えるのだ。
このリストの次に,何に手をつけたらよい?
さて,その後はどうやって学習を進めていったらよいか?
下記の表のような手順で,レベルアップして進捗を進めてゆくとよい。
一番最初の入門段階:
- 「対人関係の構築の開始」に役立つ,最初歩の挨拶と自己紹介のための,ごく限られたフレーズ。(=本稿)
- ブロークンでサバイバルな会話の成立。
初級者に到達するための学習:
- 文字の読み書きと正確な発音。(これをおろそかにすると,後で成長できなくなって,痛い目を見る。)
- ものごとの論理的な説明の仕方(の基礎)。
- 身近な話題で会話するための,単語・文法・会話力。
- その国に旅行して,買い物とか滞在をこなす力。該当する国の文化を知る事も含む。
- ここまでで,予期可能なシチュエーションに対して,パターン的にそつなく対応する力の育成。
中級者に到達するための学習:
- 各種の幅広い話題を扱うための,トピック別の具体的なボキャブラリー。
- 正確かつ円滑に意思伝達するための文法をじゅうぶん固めること。
- ノーマルなスピードで会話をやりとりする力。
- 書かれたものを流暢に朗読するための,発音・語彙・文章把握力。
- ここまでで,予期できないシチュエーションにも柔軟に対応できる力の育成。簡単な通訳としても機能できる。
上級者に到達するための学習:
- 新聞やメールなど,まとまった文章を読み・書きする訓練。
- ニュースや会議や討論など,まとまった量を聞き・話す訓練。
- 慣用句や成熟語・専門語などを駆使する,ネイティブに近づいてゆくための訓練。(現地人に特有の,微妙なニュアンスもくみ取れるとよい。)
- ここまでで,ビジネスでの責任を果たすための公式な利用や,熟練した通訳のために機能できる。
こんな感じの勉強法で,外国語の学習は進んでゆく。
語学を楽しんで継続してゆく上での定石,ルーチンと考えてもよい。
そして,その第一歩を成し遂げるための門が,冒頭のフレーズ集というわけだ。
結論
そういうわけで,結論として
- 言語の学習を開始する際には,まず「対人関係の構築の開始」から手を付けてみよう。
- そのためには,冒頭のフレーズ集をテンプレートとして活用してみよう。
ということになる。
論外だが,「This is a pen.」から手を付けるなど,もってのほかだ。
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付録
冒頭の表を,手軽に作成するための雛型を記載しておく。
コピペ用である。
この空欄に,さまざまな言語での用例を当てはめてゆけばよい。
〜語の最初歩のフレーズ集 (対人関係の構築のために)
<table border="1"><tbody> <tr><th>日本語</th><th>〜語</th></tr> <tr><td>こんにちは</td><td> </td></tr> <tr><td>ちょっと<br> すみません</td><td> </td></tr> <tr><td>あなたは<br> 〜語を<br> 話しますか?</td><td> </td></tr> <tr><td>はい,いいえ</td><td> </td></tr> <tr><td>お会いできて<br> 嬉しいです<br> (初めまして)</td><td> </td></tr> <tr><td>私の名前は<br> 〜です</td><td> </td></tr> <tr><td>私は〜語を<br> 学んでいます</td><td> </td></tr> <tr><td>私は<br> 日本人です</td><td> </td></tr> <tr><td>あなたの<br> お名前は?</td><td> </td></tr> <tr><td>どうぞ書いて<br> 下さい。</td><td> </td></tr> <tr><td>〜さん</td><td> </td></tr> <tr><td>ありがとう</td><td> </td></tr> <tr><td>私は〜に<br> 住んでます</td><td> </td></tr> <tr><td>あなたは<br> どちらの<br> 出身ですか</td><td> </td></tr> <tr><td>どうぞ</td><td> </td></tr> <tr><td>ごめんなさい</td><td> </td></tr> <tr><td>さようなら</td><td> </td></tr> </tbody></table>