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「解析力学」の講義ノートPDF。Webで入手可能なテキスト(演習問題と解答付き)


力学を,数学・解析学の切り口で扱いやすくしたものが解析力学である。


解析力学には様々な捉え方がある:

  • 量子力学や統計力学を学ぶ準備。
  • 初等的な力学を,一般化座標を使って書き下す記述方法。
  • 数値計算によるシミュレーションを効率よく行なうためのツール。
  • 変分法などの数学的概念の発展。
  • 数理物理の入門。

などなど。


特に,解析力学をおろそかにしたまま量子力学に入ると,

ハミルトニアン何それ? となり,計算が手につかない。

量子論をしっかり理解したいなら,解析力学をマスターしておこう。


以下は,解析力学を学習するための良質な資料。

説明が不親切な,利用しにくいノートは除去した。

演習問題と解答付きのPDFもある。


なお,解析力学の教え方として

変分原理・変分法や最小作用の原理,仮想仕事の原理をいちばん最初に持ち出すものもあるし,後のほうで持ち出すものもある。

好きなほうを使って勉強しよう。


※力学の復習はこちらのノートから。

解析力学の講義ノート

ページ数の多い,しっかりした教科書PDF:

解析力学講義
http://ocw.nagoya-u.jp/files/39/Mecha...

  • 90ページ,名古屋大。変分原理を後から学ぶタイプ。
  • 内容は、「力学」ランダウ・リフシッツ(東京図書)をベースにしている。
  • 内容:ニュートン力学,中心力と運動,散乱問題,ラグランジアンとラグランジュ方程式,微小震動,剛体の運動,剛体のラグランジアンと運動方程式,オイラー角とコマの振動,変分原理,仮想仕事の原理,ハミルトンの原理。


解析力学2003
http://www-het.phys.sci.osaka-u.ac.jp...

  • 大阪大。各回ごとに分かれている。試験問題と略解付き。
  • 内容:ラグランジュ方程式,ハミルトン方程式,正準方程式,相空間における変分原理,正準変換とポアソン括弧,ハミルトン・ヤコビ方程式。


解析力学 講義ノート
http://www.kitasato-u.ac.jp/sci/resea...

  • 北里大,43ページ。問題と略解付き。
  • 内容:微分・積分の復習から,オイラー・ラグランジュの方程式,ハミルトンの変分原理,正準形式,ポアソン括弧と位相空間。


「数値計算のための解析力学」
http://www.research.kobe-u.ac.jp/csi-...

  • 189ページ,神戸大。
  • 『量子力学を学ぶための解析力学』ではなく、『シンプレクティック積分法を学ぶための解析力学』。情報系の学生が数値計算法を学ぶための一助
  • 内容:ラグランジアン,ラグランジュの運動方程式,運動方程式の共変性,対称性と保存則,運動方程式の数値的解法,ハミルトン形式の力学,正準変換,シンプレクティック形式とポアソン括弧,シンプレクティック積分法,ハミルトンの原理。


島根大「解析力学」講義スライド
http://www.phys.shimane-u.ac.jp/mochi...

  • ニュートンの運動方程式から量子力学入門まで。



ページ数が少なく,短くまとまっているもの:

解析力学に関するまとめ
http://tkoyama.web.nitech.ac.jp/docs/...

  • 10ページ,東工大。
  • 内容:解析力学の簡単なまとめ,ハミルトン系(エネルギー保存系,孤立系)とエネルギ−散逸系(エネルギー非保存,開放系)の定常状態に関する物理的考え方の相違点,スピノーダル分解理論との対応。
  • 引用:ハミルトン系では、全エネルギ−の極値問題ではなく、運動エネルギ−とポテンシャルエネルギ−の差に関する極値問題を設定する。これがラグランジアンであり,運動エネルギーとポテンシャルエネルギー間のエネルギーの授受を表し,その変分が0となる条件は、その授受が過不足なく最もスムーズに行なわれる状態に対応していることになる。実はこれは,仮想仕事の原理を言葉で言い直しただけであり、この状態は力のつりあいの状態に一致する。・・・ハミルトン系における定常状態の構成式は、ラグランジュアンに基づく極値解析から導かれる。
  • エネルギ−散逸系における定常状態とは何か。実はこれには2通りの考え方が存在する。1つは全エネルギ−が極小化した状態であり、もう1つは、エネルギ−散逸量が極小化した状態である。根本的な相違点は、ハミルトン系ではエネルギ−差が極値持つ状態を探索するのに対し、エネルギ−散逸系ではエネルギ−そのものが極値を持つ状態を探索する点である。


解析力学
http://rika.educ.kumamoto-u.ac.jp/~ki...

  • 29ページ,熊本大。量子力学への導入の説明がある。
  • 内容:仮想変位の原理,ハミルトンの原理,ラグランジュの運動方程式,未定乗数法,正準方程式。


演習問題と解答:

解析力学演習2007
http://www.cmt.phys.kyushu-u.ac.jp/~J...

  • 九州大。演習問題と解答。



個人のサイトにある資料:

解析力学ノート
http://www.geocities.jp/palaisblanc/p...

  • 17ページ。Symplectic多様体という数学的な観点で解析力学を書き下したもの。
  • 内容:ベクトル場と微分形式,Symplectic幾何学,Symplectic幾何学の応用としての解析力学(Hamilton形式ルジャンドル変換,Lagrange形式)


「物理の小さい余白・解析力学のまとめ」
http://scphysblank.tubakurame.com/ana...

  • 13ページ
  • 内容:最速降下曲線(サイクロイド),最小作用の原理とオイラー・ラグランジュ方程式,保存量と対称性(保存量を見つけるためのネーターの定理)


あもんノート・解析力学
http://www1.ocn.ne.jp/~amonphys/amona...

  • 14ページ
  • 最小作用の原理から最速降下曲線・懸垂曲線・無限連成振動子。


EMANの解析力学
http://homepage2.nifty.com/eman/analy...

  • Webページとして閲覧できる。量子力学を始めるための道具という立場。連続体や電磁場の解析力学も。


講義の動画:

解析力学の講義の動画。Youtubeで大学の物理学を勉強
http://study-guide.hatenablog.jp/entry/20140505/p3



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