中国語をカタカナで発音している人が,正すべき10のポイント
中国語の初級者がよく陥る,間違えやすい発音のポイント。
特に,ピンインを大体読めるが,カタカナで発音してしまっている人のために。
ここを改善すれば,会話がより良く通じるようになる。
修正すべき項目のリスト:
- (1)shi も xi も「シー」ではだめ。完全区別せよ。
- sh はそり舌音。
- (2)chi も qi も「チー」ではだめ。完全区別せよ。
- ch はそり舌音。
- (3)zhi も ji も「ジー」ではだめ。完全区別せよ。
- zh はそり舌音。
- (4)ri も li も「リー」ではだめ。完全区別せよ。
- r はそり舌音。
- (5)-ng も -n も「ン」ではだめ。完全区別せよ。
- -n は小さな「ヌ」。
- (6)fu も hu も「フー」ではだめ。完全区別せよ。
- f は唇をかむ。
- (7)-e は「ウー/オー」ではだめ。a/u/o と完全区別せよ。
- e を聞けば中国語の上手さが分かる。
- (8)-u- は強く唇をすぼめよ。
- そうしないと聞こえないので,別の字になってしまう。
- (9)四声は,日本人が大げさと感じる1オクターブぐらい上げ下げせよ。
- それがノーマル。
- (10)1秒4文字の速度でこれら全てを区別する必要がある。
- だから,正しい基礎固めに用心せよ。
これらの音を明確に区別するために:
- 「唇」と「舌先」に,力を込めて動かせ。
下記の資料は,レクチャーのレジュメとして利用できる。
なぜ,カタカナではいけないのか?
中国語は,「発音に始まり,発音に終わる」言語とよく言われている。
発音の基礎がないまま先に進むと,土台がないまま勉強を進めているので,すぐ行き詰る。
言語学習の壁に突き当たるのである。それはどのような壁か?
下記のような壁だ。
かりに,「細かいことは気にせず,カタカナで進めよう」
という気持ちで,ピンインの発音をはっきりと区別せず,
わりと気楽に単語や文法を覚えてしまい,ある程度の会話ができるつもりになったとしよう。
だが,その会話は聞き取ってもらえないのである。
本人は正しく音を出しているつもりでも,
実際には「区別すべき音を区別しないで話している」ので,
周りからすると,何を言っているのかよくわからないのだ。
だから,そういう人は,
「せっかく今まで努力して,会話ができるようになったと思ったのに,通じない」
という壁に突き当たる。
これは,本当は避けられたはずの壁だ。
「しっかりピンインの発音を区別する」という土台さえあれば,この壁にはぶつからないで済むのだ。
もちろん,完璧を追い求める必要は全くない。
言語学習に完璧などないし,中国語の音声には地域差も激しいのだから。
ただし,区別すべきものを,ちゃんと区別する必要はある。
英語でたとえると,カタカナで話そうとするので
warship(戦艦) と worship(崇拝) を上手に区別できない日本人がいい例だ。
アメリカ人とイギリス人では,音の出し方は同じではない。
それぞれ独特のなまりがある。
だが,アメリカ人はアメリカなりに,イギリス人はイギリスなりに,
warship と worship の要となる母音を,ちゃんと区別して話す。
そして区別さえすれば,何を言っているのか判定できるので,話は通じるのだ。
中国語の場合も,同様である。
発音の基礎を固めた人は,shi と xi を明確に区別する。
決して,カタカナで「シー」などと発音しない。
だから,下記の2単語を混同するような事態もありえない。
- 「希望」:xi1 wang4
- 「失望」:shi1 wang4
「音を明確に区別すること」の重要性がわかるだろうか?
希望を今でも持っているのか,もう希望をなくしてしまったのか,
全く逆の意味になるのだ。
カタカナ発音者が「シーワン」とだけ言ったら,この区別はできない。
四声の声調が正しく言えていても,ダメである。2単語の声調が同じだから。
「区別できない」という事は,「話しても通じない」ということである。
ここで,中国語学習において壁にぶつかって挫折するかどうかの差が生まれる。
shi と xi の読み方の区別という「基礎」を土台としてちゃんと据えてあるかどうか,
それがものを言う。
ちなみに,これよりもっと初級の段階として,四声の区別がある。
四声は初歩的な学習事項であり,カタカナ学習者でも乗り越えられるステップだ。
なぜなら,カタカナで勉強しても,声調の上げ下げの区別はできるから。
なので,mai3(買う)と mai4(売る)のような対義語を区別することはできる。
そこから先の段階に進むにつれて,カタカナの害悪がじわじわと効いてくるのだ。
結論として,
- 「完璧な発音をする必要はないが,音の区別だけは常に必要。」
この事を覚えておいてほしい。
以下で,具体的な音の出し方・区別の仕方の要点を述べる。
〜〜(書きかけ。そのうち気が向いたら執筆する。しかし,必要なことは全て入門書に書いてある。)〜〜