Ruby on Railsのバージョン間での違いのまとめ 一覧表(1系・2系・3系の差異と歴史)
Ruby on Railsの,バージョン間での違いのまとめ。
一覧表を見て,Ruby on Railsの発展・遷移の歴史をたどる事ができる。
また,各バージョンの仕様の変化(リリースノート)についてのリンク集も掲載。
一覧表(簡易年表)
現時点での最新版と,次期バージョンの計画まで。
バージョン | リリース日 | 特徴 |
---|---|---|
初代 | 2004年7月 | ・DHHが一般公開 ・15分でブログ作成のデモが話題に |
1.x系 | ||
1.0 | 2005/12/14 | ・初の正式リリース ・既に高い知名度だった ・機能面では0.14と差異なし ・パラダイムはDRY+CoC |
1.1 | 2006/03/26 | ・Ruby 1.8.4推奨 ・各種ライブラリ改良 |
1.2 | 2007/11/24 | ・1系の安定版(1.2.6) ・Ruby 1.8.6推奨。1.8.7では動かず |
2.x系 | ||
2.0 | 2007/12/07 | ・デフォルトDBがSQLite3に ・1.2との機能差は微小 ・rhtmlは .erb に名称変更 ・セキュリティホール存在 ・パラダイムはRESTful |
2.1 | 2008/06/01 | ・ARにnamed_scope導入 ・migrationの採番方法変更 ・gemの管理方法改善 ・セキュリティホール存在 |
2.2 | 2008/11/21 | ・国際化が標準に ・スレッドセーフに ・Ruby 1.9とJRuby対応 ・セキュリティホール修正済み |
2.3 | 2009/03/16 | ・2系の安定版。リリース継続中 ・CGI捨てRack採用 ・Ruby 1.9.1サポート ・セキュリティホール修正済み |
3.x系 | ||
3.0 | 2010/08/29 | ・2.x系との互換性あり ・新機能はあまり入ってない ・パラダイムはモジュラリティ (Merbから導入) ・デフォルトでエスケープ ・ActiveRecordにクエリエンジンArel導入 ・3.1への準備ステップ |
3.1 | 2011/08/31 | ・2.x系との互換性が消失(modelのfind等) ・jQuery+SCSS+CoffeeScriptが標準に ・「粗削りだが面白い」 ・短命の予定 |
3.2 | 2012/01/20 | ・3.1の安定版 ・「高速開発モード」を導入 |
4.x系 | ||
4.0 | 2012-2013 | ・Ruby2.0等,他ツールも更改 ・4.0から安定版,3.2から移行容易 ・要Ruby 1.9 |
RailsBrain.com
http://www.railsbrain.com/
- 古いバージョンの1.1.6から,新しいバージョンの2.3.2まで,過去のバージョンのRailsのドキュメントがオンラインで閲覧可能
公式API集
http://api.rubyonrails.org/
- 現時点での最新版のみ
Githubの本家ソースコード
https://github.com/rails/rails
バージョン間の差異の詳しい説明
特定のバージョンがリリースされた時のニュース記事を収集すれば,
バージョンアップ時に発生した仕様変更の様子がだいたいつかめる。
1系・2系の差分リリースの非常に詳しいまとめ
Rails 1.2.3 〜 2.2.2 までの主な変更点のまとめ
http://d.hatena.ne.jp/LukeSilvia/2009...
Ruby/Ruby on Rails/リリース差分情報 (主に2系)
http://tobysoft.net/wiki/index.php?Ru...
1系
「Ruby on Rails 1.0」が正式リリース
http://www.itmedia.co.jp/enterprise/a...
- 1.0リリースに至るまでに、何百人ものコントリビューターから寄せられた数千ものパッチやリクエスト、修正を加える必要があった
Ruby on Railsまたも進化、1.1 公開
http://journal.mycom.co.jp/news/2006/...
Session Fixationの脆弱性を修正した「Ruby on Rails 1.2.6」リリース
http://japan.zdnet.com/security/analy...
2.0
Rails 2.0 - 初心者がすべきことは?
http://www.infoq.com/jp/news/2008/01/...
- Rails 2.0 と前バージョンである Rails 1.2 との違いは、Rails 1.2 と Rails 1.1 との間の違いに比べれば微々たるもの
- Rails 2.0 のテーマのひとつはフレームワークのスリム化
Ruby on Railsを使うならバージョン2.2以上を使おう
http://www.gesource.jp/weblog/?p=733
- バージョン2.1以下は、セキュリティホールが放置
[Rails] Rails2.0 の1.x系のバージョンとの違いのまとめ
http://www.nwlab.com/?p=177
2.1
[RailsConf2008] Rails 2.1が本日リリース (詳細)
http://mtl.recruit.co.jp/blog/2008/06...
Ruby on Rails 入門 ⇒ Rails2.0,2.1→2.2へ移行時の注意
http://maskana-soft.com/rails/pro/det...
2.2
Ruby on Rails 2.2リリース
http://gihyo.jp/dev/clip/01/orangenew...
- 日本の開発者にとって最も大きなアップデートは1番目の国際化対応でしょう。今まで日本語化にはGetTextを用いる方法がありましたが,2.2以降では標準のi18n機能を使うことになる
スレッドセーフRuby on Railsが意味することは、Rails 2.2でスレッドセーフ
http://journal.mycom.co.jp/news/2008/...
- Rails実装がスレッドセーフになることで、並列処理が高速になるほか要求するリソースが少なくてすむようになる。Railsをアクセスが多いサイトで使っている場合には朗報
- グリーンスレッドの性能が向上しているため、最大でマルチコア/プロセッサ数だけインスタンスを生成して処理すればいい
2.3
Ruby on Rails 2.3リリース CGIに代えてRackを採用
http://codezine.jp/article/detail/3753
[ruby][rails]Ruby on Rails 2.3 リリースノート
http://d.hatena.ne.jp/conceal-rs/2009...
- ActiveRecordで条件指定時にhavingを指定可能に
- pplication.rb だけ特別なネーミングだったのが,Rails 2.3 では application_controller.rb に変更
- render :partialがスマートに。その他たくさん
3.x系
Rails2 と Rails3 の違いを、ざっくりっと学ぶ
http://armaniacs.tumblr.com/post/1051...
- PDFへのリンク有
RailsとMerbの合流についてあれこれ
http://d.hatena.ne.jp/essa/20081225/p1
- Railsプロジェクトが、次期バージョンのコアとしてMerbを採用し、Merbの開発メンバーをRailsプロジェクトに迎え、共同で次期バージョンを開発すると発表
- ゲイツが「Windowsの次期バージョンはMac OSXをベースに開発する。その為に、Appleの技術者をマイクロソフトの幹部として迎え入れることになった」と言うくらいの衝撃
AjaxからPjaxへ、Ruby on Rails 3.2はどうなる!?
http://el.jibun.atmarkit.co.jp/rails/...
2011年7月の情報:
- Rails3.0
- 本当のRails3とも言うべき3.1への準備ステップ
- Rails3.1
- 新機能は極めて荒削り
- 「短命になる予定だが,3.1はとにかく面白いのでどんどん使うべき」
- Rails3.2
- Rails2.1、2.2が短命で、2.3系が長く使われたのと同じで、Rails 3.2が長く使われるバージョンとなりそう
- Rails3.3
- 出るかどうか分からない。たとえ出るとしても大きな機能は入らない
- Rails4
- これから出るパッチは、Rails 4に入る
秒読み段階の「Ruby on Rails 3」登場の意味
http://www.atmarkit.co.jp/news/201008...
- Ruby 1.9は、実際には2.0と名付けるべきだったとの声もあるほど、1.8系と比較して高速化や機能強化
- Rails的なフレームワークがどんな言語でも一般化してしまっている今、「それでもRails3は数多くあるWeb開発フレームワークの中で再び頭ひとつ飛び出た存在になる」
- コアを中心に多くのライブラリがつながる構造
- Rails3というのは、いったんMerbやSinatraに拡散したRubyフレームワークの世界が、再び“Railsの旗のもとに集結”しつつある姿
そろそろpjaxについて書いておく
http://a-newcomer.com/28
- Rails3.2から導入されるであろうpjax(pushState + ajax)
2.x系ユーザに対する,3系への移行方法と開発方法の手引き
Rails3系の概要、コードの書き方、Rails2系からの移行に関して参考になる記事まとめ
http://matome.naver.jp/odai/213160759...
- Rails3の概要, 開発時に参考になる記事
- Rails2からRails3への移行
Rails3を使おう〜Railsの設計思想の変化とRails2からの移行〜
http://public.iwork.com/document/ja/?...
- バージョン1,2,3それぞれのメリットとデメリットを解説するスライド
3.1〜のCoffeeScriptについて
ベターJavaScript!? CoffeeScriptが注目されるワケ(※欧米風のマンガ付き)
http://el.jibun.atmarkit.co.jp/rails/...
- 2011年4月の情報
- Rails3.1でjQueryやSCSSと合わせて、CoffeeScriptをデフォルトとして採用する
Rails 3.1 と JQuery Mobile でスマートフォン用 Web サイトを作った
http://mitukiii.jp/2011/08/17/rails-3...
- CoffeeScript によって JavaScript の記述量が減り、また俯瞰しやすくなったことでメンテナンス性が上がりました
- CoffeeScript のコンパイルのため JavaScript 実行環境が必要になり、開発環境を整えるのが少し面倒になりました
SCSSについて
Sass、そしてSassy CSS (SCSS)
http://hail2u.net/documents/sass-and-...
3.2
「高速開発モード」で開発者を支援するRuby on Rails 3.2リリース
http://sourceforge.jp/magazine/12/01/...
Rails3.2ってどう変わるの?(スライド。ドリコムが提供)
http://www.slideshare.net/takafumiona...
- 開発環境モードが高速化
- SQLの重いクエリに対して自動でEXPLAIN文が付与される
- ログにタグ付与,formに名前空間付与
- その他,細かい変更点をモジュールごとに解説。3.1から大きくは変わってないが,開発がはかどるように。
4.0
Ruby 2 and Rails 4(スライド)
http://sssslide.com/speakerdeck.com/a...
- 4系では,新規パラダイムがない。リリース時期はRuby2.0のリリースにあわせる。
- 4.0.0で最初から安定版。3.2.x系からスムーズに移行可能
- バージョン番号なんて飾り。Rails自体が絶えず変化してゆく一本の線路のようなもので,バージョンは途中駅のようなもの
インストール手順
1.2
CentOS 5.6上で Apache+Passenger+Ruby on Rails 1.2 を動作させる手順 (仮想マシン上に,レガシーRailsの実運用環境を構築)
http://language-and-engineering.hatenablog.jp/entry/20110814/p1
2.x系のインストール手順
Ruby on Rails2.2/インストール(Windows編)
http://yakinikunotare.boo.jp/orebase/...
Rails2.3/インストール
http://www.srcw.net/wiki/index.php?Ra...
3.x系のインストール手順
Ruby on Rails バージョン 3 を使ってみる (Windows上で3.0)
http://kkaneko.com/rinkou/rubydb/rail...
さらに最新の情報を追いたい場合
下記のサイトを定期購読する。
Rails Hub情報局
http://el.jibun.atmarkit.co.jp/rails/
Ruby on Rails 公式ブログ(英語)
http://weblog.rubyonrails.org/
また,Googleアラートで「Ruby on Rails」のキーワードをウォッチするのもよし。
さらに最先端を追いかけたい場合は,
Github上の公開リポジトリをウォッチすることになる。
rails / rails
https://github.com/rails/rails
そこまで来たらいわばマニアの領域となるが,
しかし,もし真剣にWebの未来像を模索している究極のRubyistであれば
そういう日課を持つ価値もあるだろう*1。
関連する記事:
Ruby on Railsのテストの書き方 (モデルの単体テストと,コントローラの機能テスト)
http://language-and-engineering.hatenablog.jp/entry/20091023/p1
Ruby on RailsのModel内に記述するメソッドの分類表
http://language-and-engineering.hatenablog.jp/entry/20100901/p1
Ruby on Rails 1.2 での開発のはまり所
http://language-and-engineering.hatenablog.jp/entry/20110309/p1
Heroku(ヘロク)で,Ruby on Railsアプリを簡単に公開する方法の入門 (無料のRuby向けPaaS環境の使い方)
http://language-and-engineering.hatenablog.jp/entry/20110914/p1
*1:日本有数のRailsハッカー,松田明氏のように・・・。