シンハラ文字を覚える ・・・ (4) 「かえる」系の前半5文字
シンハラ文字には本当に動物に似ているものが存在する。
シンハラ語アルファベットのうち,外見がカエルのように見える(と私が思った)ものを,かえる系と呼ぶ事にする。
(カエルの他には,リスや,ねずみ等がある。見方は人によって異なる。)
かえる系の文字は10個ある。
しかし,この10個はさらに分類することが可能である。
まずは大きな分類として,書き出しが「己」かどうかを見る。
これにより,かえる系の10文字は「己」派の5文字と非「己」派の文字に分かれる。
IV かえる系:(前半)己派
pa e_s
ja e_s'
sha e6s
pha e_9
chha e_g
pa「パ」の文字はカエルそのものである。
あるいはほかのどんな生き物でも別によいのだが,まずはそのイメージを通して,この文字に愛着を感じる必要がある。
書き出しは「己」という漢字と同じで,文字の外見もAAも,ちょうど左右対称になる。
文字上部の左側「⊃」と右側「⊂」は,くっつかない。くっついたように見えはする。一筆書き。
jaは,ジャという発音で,日本語の「ざ」の音の代用を兼ねる。
paの文字を書いた後,筆を離さずにクルッと右上にはねる。
スリ・ジャヤワルダナプラ・コッテの「ジャ」の部分はこの文字が使われているので,以前の記事を確認のこと。
sha「シャ」の文字は,paを書いたのち,数字の6と同じ書き順で,文字中央に丸を書く。
丸と文字外郭とは曲線で結ばれている。
shaの文字を書籍などで見ると,中央の丸が強調されていて,口を開けたカエルのようだ。何ともかわいい文字。
エサを食べようとして口を開けて「シャー」と意気込んでいるのでshの子音を表す,という記憶法もある。
phaは,pa「パ」の気音である。
paの右上部分の回転の向きが異なり,最後に反時計回りに円を描く。
chhaの文字は,ここではcha「チャ」の文字の気音を表す。息をたくさん吐きながら「チャ」と言う。
paを書くつもりで右上まで来たら,時計回りに小さく1回転してから,右上にはねる。
この5文字を仮に,カナで連続して発音するならば,
「パ・ジャ・シャ・プハ・チュハ」
とでもなるだろうか。
jaとshaの関連は,jaで右上にあった斜め線が,shaでは文字内部に侵入してきたと見る。
phaとchhaの関連は,phaで右上線よりも文字内側にあった丸が,chhaでは文字外側に向かって少し移動したと見る。
つまり,paはベースであり,ja⇔sha, pha⇔chha のいずれも文字右上において内外の向きへ部品が移動して生じたと見る事ができる。
そうやって覚えられるだろう。
ここでは,かえる系の文字のうち,書き出しが「己」である5文字を扱った。
次回は,かえる系で非「己」派の5文字を扱う。
ここまでの復習
ここまでに挙げた16文字で,特に互いに似ていて間違えやすい文字を,縦横に隣同士に並べてみる。
O' "O'"
e e,
(5) (5∂
e5) -e5)
e_s e_s'
e6s e_9 e_g
発音は,上から順に,
ra ii
u da
ga ssa
ha bha
pa ja
sha pha chha
となる。
また,発音の面で分類してみよう。
ここまでに出てきた文字を,母音・長母音・子音・気音子音の順に並べると
a ep'
u e
ii " O' "
uu ey
ga (5)
ssa (5∂
sha e6s
ja e_s'
da e,
ha e5)
pa e_s
ra O'
bha -e5)
pha e_9
chha e_g
となる。