中国語のWebサイトに,自動でピンインを付与する無料Webサービス&ブックマークレット (Webページの発音や翻訳を表示するオンラインツール)
日本語のWebページには,「ふりがなをルビ形式で付与してくれるWebサービス」が存在する。
対象URLを入力すると,ルビ付きのページが表示される。
子供が漢字の読み方を知るのに便利だ。
(実行・表示のサンプルは,このブログの右上のリンクを参照。)
これと同じように,
中国語(北京語・簡体字)のWebサイトに対して,読み方の記号つまりピンインを自動的に付与し,
読む人が音読しやすくしてくれるようなWebサービスはあるか?
もしあれば,中国語を [ 目・耳・口 ] など五感をフル活用して学習していく上で,非常に役立つはずだ。
外国語をマスターしていくためには,リーディングの習慣を重ねる事(=「多読」)は必須だ。
そのために必要なリソースは,現在ではネット上にあふれている。リーダーの高い本を買うまでもない。
ニュースとか地元の旅行情報など,原語での最新情報は毎日オンラインで,至る所で発信されている。
※一例:
中国に関するニュース・雑誌 / 【中国語で読む日本情報】
http://www.las.osakafu-u.ac.jp/~kiyoh...
- 中国語で報道する日本のニュースなど
そういう音読リソースを読み上げる際,もし表音文字でない言語の学習中だと,
「原文テキストから発音表記を生成してくれるツール」がどうしても欲しくなる。
中国語で言うと,「漢字→ピンインの変換ツール」という事になる。
そして,原文をタダで入手したい場合,変換の対象は「Webページ」なのだ。
下記は,そのような「Webページに対する自動ピンイン追加サービス」へのリンクと,それぞれの機能や特徴の比較。
(1)MandarinSpot:ある程度,読める人向け。
原文にポップアップでピンインや翻訳結果を表示してくれる。
- 表示形式:本文にマウスカーソルを当てると,四声の声調記号付きのピンイン・簡体字・繁体字がポップアップされる。
- 翻訳の有無:あり。ポップアップ内容には,英語の単語翻訳結果も含まれる。
- スマートフォンでの利用:マウスカーソルの利用が前提だが,タッチデバイスでも何とか使える。
- 特徴:ブックマークレットがすごい便利。URLの入力やページ遷移が不要。
- 使いどころ:
- まあまあ中国語の文章を読みこなせるという初級者〜中級者が,ところどころ理解できない単語を含むようなWebページを読む時などに重宝。何もタッチしない限り,もとのWebページの原文がそのまま表示されるだけだから,余分なスペースを食わない。簡易的なセルフチェックのテスト(音読の練習)としても使える。
- 入門者にはきついはず。全部の単語に対して,一語ずつマウスカーソルをずらしていく作業が面倒だろうから。
- 使用料:すべて無料。会員登録も不要。
- 「数値参照形式」で書かれた中国語HTML:読み取り可。
MandarinSpot - Reading Chinese made easy
http://mandarinspot.com/annotate
- 「Web site annotation」の項目に,ピンイン付与対象のWebページのURLを入力。
- 「inline pinyin is not available for Web site annotation as this would almost certainly break layout」(インラインのピンイン挿入をするとHTMLのレイアウトが崩れるので対応していません,との事)
表示サンプル
http://mandarinspot.com/annotate?u=ht...
- 表示に利用したサンプルURL:http://zhidao.baidu.com/question/337668214.html
ブックマークレットをブラウザに登録できるページ
http://mandarinspot.com/bookmark
- 「Annotate (Pinyin)」のリンク(javascript:~~)があるので,そのリンクをブックマークすればよい。一度使ってみると,感動する。
(2)PinyinPinyin:入門者向け。
※2013年5月現在,このサイトはドメインごと消滅している。
原文に単語ごとにピンインを併記してくれる。
- 表示形式:本文のテキストが,単語単位で自動的に分割され,単語ごとに()内に声調付きピンインが併記される。
- 翻訳の有無:なし。英語の翻訳結果が含まれる。
- スマートフォンでの利用:問題なし。
- 特徴:処理結果は,原文の全体とすべてのピンインが両方とも並んだ状態でそのまま印刷できるので,紙媒体で一つの教材になってしまうほど便利。
- 使いどころ:
- 入門者が音読する際には重宝するはず。全部の単語に対して,はじめからピンインが見えている状態だから。ただし,意味の翻訳がされないので,そこは別の自動翻訳ツールとかで賄う必要がある。
- 使用料:すべて無料。会員登録も不要。
- 「数値参照形式」で書かれた中国語HTML:読み取り不可。
- 注意事項:一部のサイトのURLを入力した場合,「500 Internal Server Error」(画面が真っ白)となり,利用できない。
- 対象となるサイト側で,外部サーバによる内容の読み取りを拒否しているため,本ツールがページのコンテンツを取得できずそうなる。
PinyinPinyin - ピンインっていいな -
http://pinyin.byethost16.com/index.html
- 「分ち書きとピンイン振り」の項で,「声調付きピンイン」を選択し,URLを入力する。処理には少し時間がかかる。表示結果は良好。
ブックマークレット:
javascript:(function(d,f,i1,i2){d=document;f=d.createElement("form");f.action="http://pinyin.byethost16.com/pinyin_html_exe.php";f.method="post";i1=d.createElement("input");i1.name="convert_type";i1.value="gsp";f.appendChild(i1);i2=d.createElement("input");i2.name="textbox_search";i2.value=d.URL;f.appendChild(i2);d.body.appendChild(f);f.submit();})();void(0);
(その他)
Webページへのピンイン付与ツールとしては,上述のもので十分。
だが,他にも存在するので,見つけ次第ここに追記してゆく。
Rikai
翻訳付きだが,スマートフォンでは文字化けして使えない。また,画面を下にスクロールすると使えない。
- 表示形式:マウスカーソルを当てると,画面の左上に,声調符号付きのピンインが表示される。左上で固定なので,ブラウザ上でスクロールしたら使えない。(Firefoxで動作確認)
- 翻訳の有無:あり。英語の翻訳結果が含まれる。
- スマートフォンでの利用:URLの入力フォーム自体が文字化けしてたりして,最初から利用不可能。Android上のChrome + Firefoxで動作確認。
- 特徴:他のサービスと比べると見劣りしてしまう。
- 使いどころ:-
- 使用料:すべて無料。会員登録も不要。
Rikai - For educational use only
http://www.rikai.com/perl/HomePage.pl...
- ボックスにURLを入力して,処理結果を待つ。
補足:「Webページに対するピンイン付与」以外のオンラインツール
この記事では「Webページに対するピンイン付与するようなオンラインツール」に特化して紹介した。
ほかにも,「中国語テキストを自動翻訳」「入力内容を片仮名に変換」など,いろいろなツールがある。
それらのツール類は,下記のエントリで紹介している。
中国語を独学するための,辞書やピンイン変換・翻訳ツールなど無料のオンライン教材のリンク集
http://language-and-engineering.hatenablog.jp/entry/20120206/p1
- (0)簡繁:漢字を 簡体字⇔繁体字 で相互変換する。
- (1)中ピン:中国語本文から,ピンインへ変換。ピンインからカタカナも含む。
- (2)中日:中国語本文から,日本語へ変換
- (3)日中:日本語から,中国語へ変換
- (4)ピン中:ピンインから,中国語に変換
※なお,本件の情報収集に際しては,下記の人力検索はてなの情報を有効活用させて頂いた。
中国語のWebページに対して,ピンインを付与してくれるような,無料のWebサービスを探しています。
http://q.hatena.ne.jp/1341574842