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仕事の疲れをためない方法 - SEの視点での書評:「『疲れやすい』が治る本」

「疲れやすい」が治る本―ダルーいからだが軽くなる!

「疲れやすい」が治る本―ダルーいからだが軽くなる!

『「疲れやすい」が治る本 — ダルーいからだが軽くなる』,大和書房,2007。


この本の表紙オビには,

せっかくの休日も 寝て過ごしてしまうあなたへ」とある。


平日に疲れがたまり,もし休日に回復できないと,

どんどん疲労が蓄積されてゆく。

疲れを「ためない」ために,どうしたらよいのか。


この本では,主に下記のようなキーワードに基づいて,

疲れを「ためない」ための対処法が解説されている。

  • 乳酸
  • 鉄分
  • アクティブレスト
  • 睡眠の質。および,睡眠中の体内の疲労回復メカニズムをサポートすること
  • 朝,起きる目的

こういうキーワードに照らして解説してもらうと,

疲れがたまるメカニズム,疲れが取れるメカニズムがわかる。


そうすると,(理屈っぽい人は特に)心から納得する事ができ,

自分の生活を変化させるための強力な動機づけが得られる,というわけだ。

暗記したいと思った事柄(良い連鎖)

のんびり風呂に入ると疲れが取れる理由:
  1. ゆっくり風呂に入る(38〜39℃)
  2. →水圧で血管がほどよく圧迫される
  3. →血行が良くなる
  4. 疲労物質である乳酸が,肝臓まで届きやすくなる
  5. →肝臓で乳酸が分解され,糖つまりエネルギーになる
  6. 血中の乳酸濃度が下がる
  7. →疲れが取れる

なお,下記の作用もある。

  1. ゆっくり風呂に入る
  2. →副交感神経が働く
  3. →消化吸収も便通も改善される
少し運動すると疲れが取れる理由:
  1. 疲れていても少し運動する
  2. →血流が良くなり,筋肉の緊張がほぐれリラックスする
  3. →よく眠れる
  4. →睡眠中に血液は活発に産生される。血流が良くなる
こだわりを捨てる事によって疲れが取れる理由:
  1. 何か1・2個あきらめてみる
  2. その分だけ,心に余裕が生まれる
  3. →自分の身の丈に合った目標が持てるようになる
  4. →現実的な目標を着実にクリアしてゆけるようになる
  5. →達成感が生まれ,心の疲労が楽になる
たくさん寝過ぎない事によって疲れが取れる理由:
  1. 休日でも寝過ぎないで,平日+1〜2時間の誤差にとどめる
  2. →日中,起きている時間が長くなる
  3. 夜間,ノンレム睡眠の量が増えて熟睡できる
  4. →疲れが取れる

暗記したいと思った事柄(悪い連鎖)

精神的な疲れが悪循環を生む仕組み:
  1. プライドが高い
  2. →仕事の成果物に対して批判を受けた時,あたかも自分自身が攻撃され,自分の努力を否定されたかのように感じてしまう
  3. 精神的な疲れ
  4. →睡眠を取りづらくなる
  5. →肉体的な疲れ
鉄分不足が疲れを生む仕組み:
  1. 生理による出血(女性の場合),もしくは外食とかインスタント食品により「リン」を摂取
  2. →鉄分不足
  3. →ヘモグロビン不足
  4. 酸素が体の隅々まで行き渡らなくなる
  5. 心臓をより早く動かす必要が生じる
  6. →疲れ,貧血,どうき,めまい
姿勢の硬直が疲れを生む仕組み:
  1. 長時間同じ姿勢
  2. →筋肉がこわばる
  3. →血流が悪くなる
  4. 乳酸がそこにたまり,疲れる
  5. →痛みを感じる
  6. →痛みのためにさらに筋肉がこわばり,さらに血流が悪くなる
胃腸の弱さが疲れを生む仕組み:
  1. 胃腸が弱い
  2. →消化が悪い
  3. →栄養不足
  4. →体力がない
  5. →疲れる
無計画性が疲れを生む仕組み:
  1. 優先順位がはっきりしないまま活動している
  2. 計画が無いので,「次,どうしようかな?」と迷う
  3. 無駄に時間が過ぎてゆく
  4. →その分だけ,休息の時間も減る
  5. →疲れる
食後にすぐ入浴すると,かえって疲れてしまう仕組み:
  1. 食事をする
  2. →消化吸収のため,胃腸に血液が集まる
  3. →ここで入浴する
  4. →血液が皮フのほうに集まってしまう
  5. →消化不良

食べて1時間ぐらい休憩してからのほうが良いとの事。

暗記したいと思った事柄(食生活)

鉄分を摂取するための食習慣:

良いもの

  • 果物や緑黄色野菜に含まれる「ビタミンC」:鉄分の吸収を助ける
  • 大豆や乳製品:鉄分とタンパク質を両方含む

悪いもの

  • 外食とかインスタント食品に含まれる「リン」:鉄分の吸収を妨げる
夕食で疲れを取るための食習慣:

良いもの

  1. 肉・卵・大豆などたんぱく質を摂る
  2. →寝ている間に,筋肉や血液を作る
  3. →疲労回復

悪いもの

  1. 甘いものやご飯など糖質を取ってしまう。あるいは脂質を摂ってしまう
  2. →血糖値が上がる
  3. 寝ている間の成長ホルモンの分泌が妨害される
  4. →細胞が合成されない
  5. →疲労が回復しない

まとめると,夜は高タンパク低脂肪が良いとのこと。



簡潔なまとめ:

  • 乳酸を肝臓で分解させよ。そのために血流を良くせよ。
  • たんぱく質で,血液と筋肉を作れ。
  • 睡眠の質を上げれば,身体的な疲れもやわらぐ。

実践

その日の疲れは,その日のうちに取る

このスローガンが役に立っている。


特に,7〜8月は猛暑で体力を消耗する。

いわば毎日,生命力にダメージを受ける。

だから毎日,こまめに回復する必要があるのだ。


具体的には,ストレッチとか柔軟体操を四六時中行なっている。

駅のホームでの待ち時間,通勤電車の中,

交差点の信号の待ち時間,風呂の中など。

このおかげで,活動と活動の間で「疲れを持ち越さない」で済む。


そうすれば,エンジニアとしての活動に無理が生じることなく,

すべてが長続きする。

エンジニアとして,成功するための5つの秘訣 (3つのIN,2つのOUT)
http://language-and-engineering.hatenablog.jp/entry/20101113/p1
 
(1)健康と体力を意識し続ける。
 
こういった事に関心を持たない人間は,何事も長続きしない。
 
一時的に「頑張っている」ように見えても,
その頑張りのせいで自分の首を絞め,いつか壊れてしまうかもしれない。
 
あるいは,まともなパフォーマンスを出さず,メリハリがなく,
ダラダラと作業し続ける傾向を持っているかもしれない。

計画的に休む」というのも役立っている。


休日にやりたいと思う事を,いつもストックしておくのだ。

楽しみごとのスケジュールを入れる。


例えば,今週末の土曜の夜は,

ツタヤでDVDを借りて見て過ごそうとか,たわいもない事を。


もし普通に疲れたまま,計画もなく休日を迎えた場合,

その時点になってしまうともう力が出ない。

オフは,事前の意図的な計画が必要だ。


「計画が無い→迷う→無駄な時間が流れる→疲れる」

の悪循環は危険だ。

心に潤いがなくなり,精神的に潰れる。


迷わないようにするためには,

複数分野で自分の趣味を確立し,軌道に乗せてサイクルを回すことだ。



異なる活動の合間に「移行期間」を設けるのも大事と感じている。


この本によると,前の活動が終わる10分ぐらい前から,

次の活動の事を考える。

そうすると活動がスムーズに移行でき,

オンとオフのスイッチが上手に切り替わる。


PCだってそうだろう。いきなり電源が落ちはしない。

電源をオフにするためには,いくつものステップを経て,

だんだんと各プログラムの活動をクローズしてゆくはずだ。


だから,出社時間帯の末尾の10分間ぐらいは

心のゆとりを少し取り戻せるようにするため,

事前に前倒しで作業を進めて切り上げておくとよいのだ。



シャワーで済ませず,ゆったりと長風呂する

というのも,貴重なアドバイス。


シャワーは短時間でリフレッシュするが,疲労はそのまま残るという。


真夏で体が汗ばむ時期は特に,シャワーだけで満足してしまいがちだ。

しかしそれだと,熱中症に耐えうるだけの

疲労回復の役目は果たせていない。


長めの入浴時間は,「副交感神経を働かせるための大事な時間」として,

1日のスケジュールから天引きしておくのだ。

なお,浴槽は適宜水で埋める。(熱い風呂だと体の負担が増すばかり)


ちなみにシステムエンジニアやプログラマの場合,

長風呂は目疲れにも効く。お試しあれ。

エンジニアが目を傷めてしまうのを防止するために(目疲れ+眼精疲労の予防と対策)
http://language-and-engineering.hatenablog.jp/entry/20100124/p1

  • (2) 目の血行をよくする
    • (2−2)風呂の中でおしぼりで目を温める / 入浴時蒸しタオル法

この本に対する他の書評


「疲れやすい」が治る本—ダルーいからだが軽くなる [健康]
http://yo-yaku.blog.so-net.ne.jp/2011...

  • 運動のあとのクールダウンを必ずやることが大切。いきなりやめると乳酸が残りやすい。肉体の疲れは体内に乳酸がたまった状態
  • 感情をサポートしてくれる家族や友人をもち、ストレスの解消法は一つではなく複数もつ
  • 「アクティブレスト」の考え方をとりいれて、ウィーキングや水泳で身体を動かした方が早く疲れがとれる。
  • 目覚めるには布団をはぐことで、体内温度をあげること


ワンパターンなストレス解消法はかえって心に害を及ぼす(お酒・ギャンブル)
http://ameblo.jp/dsbooks/entry-100612...


オンタイムでは理性でものごとを処理しても、リラックスタイムには、感情をのびのびさせてやることが大事である。自分自身の「疲れている」と気づくサインに耳を傾ける。
http://konnabook.blog21.fc2.com/blog-...