エンジニアが目を傷めてしまうのを防止するために(目疲れ+眼精疲労の予防と対策)
プログラマやSEは,目を傷めやすい。
あなたは,一日に6時間以上モニタを見ているだろうか。
だとすると,90.6%の確率で,目の疲れ・痛みを感じているはずだ。
厚生労働省 VDT作業における身体的な疲労や症状の内容別労働者割合
http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/r...表組みの一番下の行を参照
目に来ている兆候としては,
- 少し頭痛の気がある。なのに,頭痛薬があまり効かない
- まぶたの裏がゴロゴロする
- 戸外でまぶしい
などがある。
今は平気でも,プロジェクトが忙しい時に限ってここぞという時に激痛を感じたりする。
忙しいということは体に負担がかかるから。
優れた開発スキルを持っていたとしても,目が使えなくなったらアウトである。
設計しようにも図が見れない。使えるはずのIDEも使えない。画面が見れない。
「ゆっくり休養を」なんて言われても,プロジェクトの途中でそんな簡単にゆったり静養できはしない。
しかし目疲れは,普段の心がけで防止できる。
以下では,エンジニアが
- 目疲れを防止するために,ふだんから何をしたらよいのか。
- 実際に目がすごく痛くなってしまった時に(眼精疲労),仕事を続けながらどうやって目の痛みを緩和・回復したらよいのか。
という点を考える。
大きく分けると対策は7つある。
- (1) 目の筋肉をほぐす
- (2) 目の血行をよくする
- (3) ドライアイによる痛みを解消する
- (4) 画面で目を酷使してしまうのを避ける
- (5) 寝るときの習慣
- (6) 食べるもので目を養う
- (7) 意識の問題
その前にまず,目が非常に痛い時の急ぎの対応について。
緊急時にどうしたらよいか
・手遅れになる前に,休む日を作る
以下の可能性があるので,早めに医者に行くべきである。
- 疲れ目から眼精疲労へ進行してしまうと,それが体質になってしまい,なかなか治らない。(泥沼化)
- 単なるコンタクトや眼鏡の不調であれば,すぐ解決できるので,対応を遅らせるのは時間の無駄である。
- 目が痛いのではなくて頭痛では?→別の病気かもしれない。
特に医者を選ぶ必要はない。どこも大体似たような対応しかしない。
次項にあるように,「眼科でしか入手できない目薬」をくれるのだ。
近所の駆け込める眼科でOK。
あまり大がかりな治療をしてくれると期待しないように。
下記で具体的に述べるが,目疲れ対策は自分自身の習慣にかかっている。
もともとSEは一日中目を使う仕事であり,冒頭の調査結果の通り,対策をしなければ「目が疲れて当たり前」。
なので,もし自分個人が目の使い方を改めないのならば,医者の側も,転職しろと言うしかないのである。
・医者から目薬をゲット
医者がくれる目薬は,
- 「調節機能改善点眼剤」(ピント調節を改善するための薬)
- 「調節麻痺・散瞳点眼剤」(瞳孔を開かせるための薬)
など。
(※もしもこれを読んで,ピントだとか瞳孔だとかは関係ないだろ,と思った場合,
それは目が痛くなる仕組みを理解していない証拠だ。
ということはつまり,知らないうちに目を傷めている可能性が高いわけで,眼精疲労の予備軍と言えるかもしれない。)
こういった目薬の実例:
ソフティア
http://www.rad-ar.or.jp/siori/kekka.c...ミドリンとミオピン
http://www.siryoku-up.com/midorin.htm
薬により調節力を麻痺させることで毛様体筋の緊張をほぐし、遠くの方を見ているのと同じ状態にします。
毛様体筋をほぐすというところがポイント。
目薬は基本的に劇薬であり,使い過ぎれば副作用もある。
あくまで,本当に痛くなって仕事も手につかなくなってしまった時のための「一時しのぎ」として利用する。
・医者にあまり期待はせず,以下に書いてある事を自分で全部やる
医者の処方を受け,毎日(毎晩寝る前)目薬をさすだけでは,根本的な治療にならない。
目の負担を減らすような習慣を身につけなければ,また逆戻りしてしまう。
緊急時に関する事柄はここまで。
以下,ふだんから個人として行なう対策:
(1) 目の筋肉をほぐす
(1−1)目を動かす体操をする。※目を閉じながらでもよい
目疲れによって目が痛むのは,筋肉痛のようなもの。
筋肉をふだん使っていないと,ちょっと動かしただけでつってしまったり,激痛が走ったりする。
ここに疲れ目対策のポイントがある。
目の筋肉を「いつも動かす」から痛いのではなく,
目の筋肉を「いつも動かさない」から,いざ目を使う仕事になると痛みだすのだ。
という事は,目の筋肉をふだんから柔軟に動かしておけば,
実際に目を使う仕事に直面した時にも,痛くならない。
そのためのストレッチ:
- (A)クルクル体操系
- (B)パチパチ系
- (C)遠近系
(A)クルクル体操系
以下のリンクに「クルクル体操系」のストレッチが各種紹介されている。
- (1)ギュッパッ右左上下
- (2)ギュッパッ八方グルリ
- (3)眼球のクイックエクササイズ:ゆっくり上下>ゆっくり左右>ゆっくり右回り左回り
疲れ目対策あれこれ
http://www.shiroyama-y.co.jp/Must/Eye...
アニメーションでの解説付き
オフィスの弱り目・疲れ目対策!
http://allabout.co.jp/health/eye/clos...
目を閉じて眼球を休ませると→涙が目を潤し、酸素と栄養を供給。緊張した目の筋肉解放。
まとめると,眼球を下記の手順で動かせばよい。
- ギュッ
- パッ
- ゆっくり上下
- ゆっくり左右
- ゆっくり右回り
- ゆっくり左回り
を繰り返す。(目玉の視線につられて頭を動かしてしまわないように注意。)
かなり効果がある。
人前ではやりづらいが,これは電車の中で目を閉じながらでも可能。
(B)パチパチ系
ドライアイ防止のために,まばたきをたくさんする。
意図的に多くまばたきするために,
- 好きな音楽に合わせてパチパチ
という手段を取る。
数分間,音楽をかけながら行なえば,眼球表面の乾燥がほどよく解消される。
(C)遠近系
調節機能回復
- 遠近ウォッチング
遠く,近くを5秒おきに交互に見る。
30センチ,3メートル
(1−2)ふだんから目玉をキョロキョロさせる習慣
体操の時間を作ることは重要だが,それ以外の平常時にも目の筋肉を動かす。
いつでも,視線を,視界の境界のあちこちに向けよう。
ディスプレーの一点を凝視する習慣が身に着くと,普段の生活でも目を動かさなくなる。
(※これは,目だけでなく脳にも悪い習慣である。「脳が冴える15の習慣」という本を参照。)
メガネ利用者はなおさらだ。
メガネ着用者は,眼鏡内の極めて狭い領域にしか目玉が向いていない。
- 外を歩いているとき
- オフィス内を歩いているとき
視界の中心部分だけでなく,視界のわきにある部分に,いろんな方向をまんべんなく見る事を意識して,視線を向けてみよう。
首を曲げて物を見るのではなく,目玉を動かす。
目疲れ予防に効くだけでなく,世界が広がって楽しいはずだ。
(1−3)ツボを押してみる
〜〜
(2) 目の血行をよくする
(2−1)長風呂で血行を良くする
15分〜
(2−2)風呂の中でおしぼりで目を温める
入浴時蒸しタオル法
(2−3)血行に関わる話題全般に関心を持つ
(2−4)冷やさない
はてなブックマークニュース:「目が疲れた」と感じたら! 今すぐできる“疲れ目解消法”
http://b.hatena.ne.jp/articles/200912...
- 疲れ目やドライアイの時は,温める。
- 充血時は,冷やす。
(3)ドライアイによる痛みを解消する
(3−1)まばたき増やす
(3−2)積極的にあくびする
(3−3)洗眼を増やす
(3−4)スカッとするような目薬を捨てて,スカッとしない目薬を使うようにする。
(3−5)全般的に,涙が出るように副交感神経を働かせる
(4)画面で目を酷使してしまうのを避ける
(4−1)目を傷めない趣味を持つ
極めて狭い画面領域を長い時間凝視するような趣味
だめなもの
- ネットサーフィン
- ゲーム
- 携帯
- (過度の)読書
よさそうなもの
- 散歩,ウォーキング,ジョギング
- おしゃべり
- インテリア,掃除(意外とストレス解消になる)
- (できれば)楽器,料理,ガーデニング
(4−2)1時間ごとに画面をみるのを中断
席を立つ?
フロー
テスト駆動でリズムを
(4−3)画面を見るために,度が強過ぎない眼鏡を作る
運転用の度が強いメガネでITの仕事をしていたら目の負担が大きい。
(4−4)画面遠ざける。近くで物見ない
(4−5)画面の光とコントラストちょうどよく
鏡や窓の反射にも注意
(4−6)勤務時間外に,無理して本や画面を見ない(揺れる電車の中とか)
(4−7)画面上で高い集中力を要する過酷な労働は,自動化する。人間にやらせない。
(5)寝るときの習慣
(5−1)睡眠の質を確保
- 電気暗く
- 耳栓
- アルコール控える
今年こそ!睡眠を極めるためのテクニック&睡眠系エントリまとめ
http://blog.livedoor.jp/kensuu/archiv...
(5−2)寝るときアイマスク
蒸気が出るやつ
(6)食べるもので目を養う
(6−1)ビタミン,とくにB
- ビタミンA:にんじん,ほうれんそう
- ビタミンB:豚肉,うなぎ,牛乳,納豆,ヨーグルト,緑黄色野菜系
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