シンハラ文字を覚える ・・・ (7) ねずみ系,C系,分類不可能系
東京外国語大学に,アジア・アフリカ言語文化研究所という区画がある。
このホームページでは,アジアの諸言語の文字の情報を見る事ができる。
http://www3.aa.tufs.ac.jp/i-moji/nakama/Frameset.html
その中にはシンハラ文字の情報もある。
上のコラムでは,シンハラ文字の形が丸みを帯びている理由が触れられている。
独特の葉っぱで作った繊維に,鉄筆を使って文字を刻む際に,直線を書こうとすると紙が切れてしまうのでそうなった,という事だそうだ。
さて,今回の7文字で,母音符号を抜きにして,シンハラ文字を覚え終わる事になる。
VII ねずみ系(「の」系):
na ^o~)
t2a ^p~)
ka ^w~)
これらねずみ系の3文字は,書き終わりが「の」の字のような尻尾を持つことが共通している。
その尻尾がねずみのしっぽのようなので,ねずみ系という名称を付けた。いかにもシンハラ語らしい文字。
AAで表されているように,いずれも,書き始めは左上の上向きカーブである。
そのあと,かなの「の」の字のような書き順をたどる。3文字の相違は,文字の左下にある。
na「ナ」は,左下まで来たら,上向きにとがった部分を作るのがポイント。
その後右上に向かって屈折したカーブを描く。
t2a「タ」は,左下まで来たら,いったん下向きにとがらせる。naと逆である。
その後右上へ向かう。
ka「カ」は,t2aと同じく,下向きにとがらせる。
しかし,文字の右下の底の部分が平らではなく,割れている点がt2aと異なる。
VIII 「C」系:
la (∂_
l2a (巴_
これら2文字は,「C」のように,文字の右側が開いた構造をしている。「コ」系とは正反対である。
偶然だが,C系の文字は2つとも「ラ」の発音で,いずれも「LA」の音でよい。(RAのほうの文字は思い起こせるだろうか。)
laは,まず横線を書く。いったん筆を離して,横線中央から,反時計回りに円を書く。
l2aは,かえる系の文字ではないが,かえるそっくりだ。
まず「巴」の外側部分を右上から反時計回りに書く。そののち,「巴」の中央横線を含めて,「C」の文字を書く。
IX 分類不可能系:
n2a ,9'り
i 3
これらの文字は,どうがんばっても他の文字と共通項を見つける事はできなかった。しかし,そのような文字が2文字しかないという事は,シンハラ語アルファベットは比較的互いに類似しているということかもしれない。
n2a「ナ」の字は,非常に不思議な外見で,かたつむりに似ている。
フォントによっては明示されないが,文字の左の部分は「/」のように斜め線が突き通している。
まず数字の9のような字で左下まで来てから,右上へ斜め線を引く。そこから,かなの「り」のような字を書く。
最後,母音のiの文字は,数字の3が頭でっかちになったような外見をしている。ただし,書き始めは真下へ向かう。
これで,
- 丸系 3文字
- 己系 4文字
- 陰陽マーク系 4文字
- かえる系 10文字
- コ系 12文字
- ねずみ系 3文字
- C系 2文字
- 分類不可能系 2文字
の40文字をすべて覚える事ができた。記憶を確かなものにするためにはまだ不十分と思うので,次回はまとめを行なう。