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中国語の「七大方言」の違いをまとめた一覧表 ・・・北京語(普通語),広東語(香港語),上海語,台湾語などの差異の概要


中国語の各種方言を,おおまかに7つに分類する。(=七大方言

下記は,それぞれの方言をざっくり把握・概観するための一覧表+分布図。

  • 七大方言の一覧表
  • 分布図
  • メモ
  • 7大方言のうち,どれを学ぶべきか?


七大方言の一覧表

No. 分類 通称
or
代表語
中国国内
使用人口
(概数)
声調

(代表)
主要
都市
特徴
1 北方
ほっぽう
官話,
北京語,
マンダリン
9億人 4 北京,
重慶,
西安,
南京,
その他 
普通語の基礎。
十大方言の晋語(しんご)を含む。
母語話者数は世界一。
台湾では国語と呼び,繁体字で表記。
シンガポールでも公用語の一つで,簡体字で表記。
2
上海語8千万人6(5)上海 国内第二位の方言。
言語というより方言色が濃い。
簡体字で表記。濁音が存在。
十大方言の徽語(きご)を含む。
3
えつ
広東語8千万人9(6) 香港,
マカオ,
広州
香港では繁体字で,広州では簡体字で,マカオでは両方で表記。
十大方言の平話(へいわ)を含む。
タイ語やチワン語と関連が深い。
古代中国語の特徴を残す。
4
びん,
ミン
台湾語
閩南語
福建語,
ホーロー語
6千万人8(7) 台湾,
廈門
(アモイ)
発音表記は注音符号などを利用
5
しょう
湖南語3千万人5〜6長沙
(ちょうさ)
毛沢東の母語
6客家
はっか
 3千万人5〜6(4) 華僑社会や台湾でも使用されているが,衰退傾向
7
かん
江西
(こうせい)語
3千万人7 客家語に近い

※あくまでも概要をつかむための表であり,統計情報は刻々と変わってゆくので注意を。

分布図



加工前画像の出典とライセンス:Wikipediaを参照


キーになる主要都市の位置を覚えよう。

  • 北京は,朝鮮半島よりもだいぶ内側に入り込んだ位置にあり,北側のリャオトン半島と南側のシャントン半島を門のようにくぐった内海に近い。青森県・秋田県と同緯度。
  • アモイは,大陸側で台湾に最も近い海沿いの地点に存在。したがって台湾語系統。福建省の代表都市であり、現代の歴史を見る限り元外国領とかではない。
  • 香港とマカオはほぼ同位置。両方とも広東語。香港は貿易、マカオ(澳門)はカジノで知られる「東洋のラスベガス」。それぞれ元イギリス領・元ポルトガル領。互いに高速船で一時間の距離だが、治安体制はおのおの別個に存在。
  • 地図上で,香港よりもずっと左下に見えている島は,「中国のハワイ」とも呼ばれる海南(ハイナン)島である。言語は,同じく海上に存在する台湾と同じく,台湾語系統の属するビン語の一種「海南語」を話す。海南島と台湾のだいたい中間地点に香港がある。

分布としては,ほとんどの面積を北方方言が占めている。

北方以外の残りの覚え方は以下のよう。


上海から海南省までのエリアをだいたい6分割。

右上から左下に向かって「ご・びん・かん・ハッカ・しょう・えつ」と並んでいる。

  • 呉は上海語。その下のビンは台湾付近。
  • カン・ハッカ・ショウはそのまま覚えるしかない。
  • エツは香港や広州のあるあたりで,広東語。

これで,七大方言のおおまかな分布を図形的に把握したことになる。

メモ

以下は,中国本土での方言分布の概要に関する参考情報。

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