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外国語の勉強時間の,効率的な作り方 (忙しい中でも学習時間を捻出するための時間術)


語学の勉強時間の作り方と,忙しい中での学習法のコツ。

生活中のシーン別に,「勉強時間の作り方」を分類し,一覧表にしてある。


外国語に限らず,五感を使いながら何かを学ぶ際には,ここで述べる事が共通して当てはまる。

勉強時間には,「量と質」の両方が必要

言語の勉強時間には,学習の「質」と,学習の「量」の2要素が関係する。

この2要素を十分に確保できれば,よい学習ができた,ということになる。


自分自身の生活サイクルの中に,どれぐらいの「質」と「量」を組み込む事ができるのか?

それが,学習の進捗を左右する。


まず「量」から考えよう。

量とは,どれだけたくさんの時間が取れるか,ということだ。


でも,その時間中に疲れていたり,きゅうくつな時間だったりしたら,「質の良い時間」ではない。

学習の効果が出ないのである。

質の良い,集中できる時間が,できるだけ必要だ。


だから,自分がねん出できる時間がわかったら,

次にその時間の「質」を見極め,その「質」にあった勉強法を採用する必要がある。

勉強時間の「質」とは,行動の「自由度」のことである

勉強時間の「質」は,「同じ時間の中でどれだけ多くのことができるか」ということだ。

そして,「何ができるか」は,自分の状態や,周囲の環境に左右される。

要するに,時間の「質」は,その時間が持つ「自由度」に依存している,と言える。

  • 耳は疲れているか?音を聞けるか?
  • 目は疲れているか?
  • 本や単語帳を,1冊だけ取り出して,目視で読めるスペースがあるか?または,スマホアプリを使った学習が可能か?
  • 本や辞書を複数冊取り出して,読み比べたり,広げて書き込んだりできるだけの,ゆとりのある空間にいる状況か?
  • 口から声を出して,音声の練習ができる環境か?周りに人がいない,プライベートな空間にいるか?
  • 手元に自分のPCがあって,情報を体系的に調査したり,Web上のリソースを自由自在に活用したり,メモをまとめたりできる状況か?
  • 外国語を使って,実際に会話し合える相手がいる状況か?


こういった要素を一覧表にして,「自由度」のレベル順に並べると,下記のようになる。



聴く見る動く話す本番
自由

度の

レベル
スタ

イル
音を

聞ける
目で

読める
手を

動か

せる
音を

出せる
使う

機会
状況の

具体例
1脳内×××××耳疲れ

休息時

考え事
2耳だけ××××目疲れ

休息時

散歩時

運転時

満員

電車,

お風呂
3外の

スキマ

時間
×

静止
××立ち

電車,

狭い

外出先
4一般

座学
××喫茶店

休み

時間,

広い外

出先,

非一人
5家の

片手間
×××自宅で
作業中
6音読×自宅,

自室,

音迷惑

無し
7情報

整理

PC

付き
×個人の

PC
8実践実会話

学校等


※上の表は,PDF形式でダウンロードできる。自分用の書き込み欄つき。

「自由度レベル」別のアクティビティ・チャート
http://name-of-this-site.org/language...


これが,時間のもつ「質」の違いである。


自由度レベルが高ければ,その時間の(潜在的な)質は高い。

もちろん,いくら自由度があっても,その自由を活用しなければ無駄になるが。


逆に,自由度が低いとしても,その自由度に応じた勉強法を採用すれば,相応の「質」を確保できる。


時間の持つ「質」のレベルについて,理解できただろうか。

どうやって,勉強時間の「質と量」を確保し,改善・進歩してゆけるか?

勉強に充てる時間は,いきなりは増やせない。

なぜなら,既に別の活動をしているからだ。仕事とか,家事とか。


ということは,「量」をいきなり増やすことは難しい。

まず最初は,少ない量の時間からのスタートになる。


そこからどうやって,質と量を改善してゆけるか,

という難問があるわけだが,これには解決策がある。

それは:

自由度の低い時間(スキマ時間とか)の「質」を向上させる努力をすればよい。

そうすれば,自由度が低い時間も勉強時間として確保できる割合が増えてゆくから,

学習の「量」が増えることになる。

ということだ。


もし,ハンデのある状況すらも有効活用できるようになれば,全体として有益な時間が増える。

その人は,他の人よりも人生を有効活用している,という事になる。得をしているのである。


では,この「自由度の低い時間の質の向上」とは,

具体的にどうやってできるのか?


基本的な方針として,

  • (1)自由度の高い時間のうち,半分は,自由度の低い時間のケアや工夫をするために充てる。
  • (2)自由度の高い時間のうち,もう半分は,自由度の高い時間にしかできない事(音読とか)をするために充てる。

ということを考えておけばよい。この両方とも貴重である。


具体的には,下記のような感じである。

  • 満員電車の中で,単語集や音声,または学習用のスマホアプリを使って勉強する予定だとしよう。であれば,在宅時には,満員電車の中でよい時間を過ごせるように準備しておくという作業をするのだ。
    • 例えば,書評をよく読んだ末に書店に足を運び,良質で効果的な単語集を買っておく,とか。(「キクタン」シリーズがお勧め。音声と連動できるから。)
    • または,音楽プレーヤーの中に,自分の聴きたい音声をインポートしておく,とか。
    • または,人気の高い語学学習アプリを探して,インストールして,使える状態にしておく,とか。
    • 自前の単語帳を使うなら,単語帳を作っておくとか。
  • 音声CDの語学教材を手に入れたとしよう。しかし,最初の状態では,その音声を聞くだけでは意味が分からない。最初のうちは,テキストの内容を目で見ておかないと,音声の内容について行けない。
    • だから自宅では,音声を聞きながらテキストの内容に目を通し,なおかつ同時に音読することによって,
    • 結果としてのちのち,音声を聞くだけでテキストの内容が脳裏によみがえるようにしておく。
    • そうすれば,散歩やジョギングの最中であれ,本を取り出せないほどの満員電車の中であれ,目が疲れて本を読めないようなコンディションの時であれ,耳から入る情報だけによって語学の学習が進むような状態を作り出すことができる。こうやって,自由度の低い時間の質が上がってゆく。
  • 何か大量の情報を覚えたいのだが,覚えづらかったり,なかなかまとめて覚えることが難しく,学習が停滞しそうな危険があるとしよう。その場合,在宅時には,それらの情報をわかりやすく自分なりに,図表のようなものにまとめ,Web上にアップしておけばよい(ちょうど,本ブログのように)。あるいは,そういう情報が掲載されているWebサイトを収集して,自分のブログ上にリンク集としてまとめを作って掲載しておけばよい。
    • そうすれば,電車の中でふと思い出したくなった時にも,自分がWeb上にアップしておいた図表とかリンク集を携帯電話から閲覧して,学習を継続することができる。場所も時間も問わず,いつでもどこでも閲覧できる。

という具合だ。挙げればきりがない。

人によって状況は異なるし,生活の中で語学だけをやっているわけじゃないので。


でも,この

  • 勉強しづらい時間にも,うまく勉強できてしまうように,あらかじめセッティングしておく

というテクニックは,外国語に限らず,あらゆる物事の習得に共通して利用できる技法だ。


これこそ,うまい時間術というものだ。


状況は変わらないし,制約も変わらないかもしれない。

何かの難しいハンデもあるかもしれない。

にも関わらず,同じ状況下で,人一倍の成果を出すことができる。

自分の目標通りの願っている結果を得ることができる。

そのための準備をコツコツと進めるための時間を,うまく定期的にねん出することができている。


こういう人は,同じ時間が与えられても,

その時間の過ごし方の「質」が高いので,

その分だけ得をしている事になる。


そして,その「質」の向上のためには

外国語学習の場合で言うと,ここで述べたような手法を用いることができる。


時間がない,と嘆いている人には,上記で述べた

自由度の低い時間の質の向上」という考え方をよく覚えておいてほしい。

補足

私が述べたのとだいたい同じような事を,既に書いておられる方がいらっしゃる。
※ただし,一覧表のようなものはない。

参考:

時間のない人のための、本気の英語学習法 - アスペ日記
http://d.hatena.ne.jp/takeda25/201302...

  • 自分の利用可能な時間を,自由度によって分類する。
  • 自由度の低い時間にできることを自由度の高い時間にしない。
  • 外国人との雑談で話題になるようなことは,自分や家族の生活や趣味など,または日本について。これらについて的を絞って準備しておけば,費用対効果の高い学習ができる。



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