スポンサーリンク

台湾語の声調の覚え方と,声調変化の一覧表



中国語の方言として,台湾で話されている方言,台湾語(台語)がある。

国語(台湾華語)と呼ばれる北京語のことではなく,これはビン南方言の一種だ。


北京語では4声調で声調変化も少ないのに対し,

台湾語では8声調で,変調も目まぐるしく,発音の学習の壁になるポイント。


これを,上記の一覧表の画像で記憶するべし。

下記に,台湾語のピンインの声調と変調をマスターするための学習法を記載する。

台湾語のピンインの記号を覚えよう


1,5,7,8声については,音のトーンに似た感じの音調符号がつくから,記憶の妨げにはならない。

大変なのは,2・3声だ。

  • 2声は,ストンと落ちるにも関わらず,上がるイメージの記号がつく。正反対なのである。
    • 台湾語では,2声はあまのじゃくな表記法をする,と覚えておこう。
  • 3声は,底を這う感じのトーンにも関わらず,下がるイメージの記号がつく。
    • 符号の右斜め下だけに注目しよう。下がった後の音を出すと考えるのだ。

声調の番号とトーンの並びを覚えよう

番号を見て,冒頭の楽譜のようなトーンを思い出す必要がある。

どのように暗記したらよいか。


広東語の場合も6声調あって,1から6までの並び順を覚える必要がある。

その暗記方法は,下記の記事で紹介した。

広東語のピンイン表記法と,読み方を覚えよう (声調や発音の学習法。シドニー・ラウ式のローマ字であいさつ)
http://language-and-engineering.hatenablog.jp/entry/20120718/CantonesePinyinT...

北京語の4声調

 ̄/_\

広東語の6声調

 ̄/_
   ┐┘ー
123456


そして,台湾語の場合は下記のようになる。

 ̄\_・へ\ー’
12345678

まず,1から3をグラフィカルに記憶しよう。

1声が天井を高く平坦に伸びる,というのは,北京語でも広東語でも台湾語でも同じだ。

そして,そこから落ちる。滑り落ちる。これが2声。

それで地面に到着して,地面を平坦に走る。ここまでが1から3。


次に,2声と6声が同じだという事を念頭に置いて,6はとりあえず図形的には無視しよう。

3から8までの並びをよく見てみる。

すると,この部分は1〜3と対照的で,下から上に向かって上がろうとしている事に気づくだろう。

3は地面を這っている。

4は,少し上がったところでポツンとしている。

5は,下がって上がってという波がある。

6は上記のとおり,ここでは無視。

で,7は,4と同じ高さで安定して伸ばす。

そしてついに,一番上の高さまで登り終えて,そこで最後なので,終止符(ピリオド)というわけだ。


このように,

  • 第1声から第3声まで:下がってゆく
  • 第3声から第8声まで:上がってゆく
  • 第2声と第6声は同じ

というポイントを押さえれば,台湾語の声調番号と実際のトーンを,図形的に暗記することができる。

台湾語の音調変化(変調)の規則を覚えよう

まずは長音から。

1>7>3>2 の並びを覚えればよい。

  • 1:高い音。
  • 7:中くらいの音。
  • 3:低い音。
  • 2:底まで下がりきったので,てっぺんと底をつなぐ必要があるのだ。よって,てっぺんから底まで落ちるトーン。


次に,短音。

4>8>3 の並びである。

  • 4:まずは真ん中。
  • 8:上。
  • 3:下。


最後に,第5声>第7声 の変化がある。

これには台湾内でも地域差があり,南方では5>7だが,北方では5>3だ。

しかし,台湾内で台湾語が話されている割合は南部の方が多いので,ここでは南方の変調ルールを覚えておくことにしよう。



変調のタイミングは,下記のとおり。

以下の場合以外は変調する。

  • 句の最後の1字は変調しない。
  • 軽声の前の字は変調しない。

逆に言うと,ほかは全部の文字が変調する。


したがって,台湾語会話における重要ポイントは,この変調のマスターなのである,という事が分かる。

台語にトライ!2.発音
http://www.geocities.co.jp/HeartLand-...


台湾語 連続変調
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%B...


Taiwanese Tones
http://en.wikipedia.org/wiki/Taiwanes...


Taiwanese (臺語 / Tâi-gí)
http://www.omniglot.com/chinese/taiwa...


台湾語の難しさ
http://kahukutei.exblog.jp/10214609

  • 変調というよりも,本来の声調の方が出現する頻度が少ないのではないかと思われるほど
  • 教会ローマ字を読める台湾人などほぼ皆無

例文

「こんにちは」

Li2 ho2 (リーホー)

  • まずLi2は変調してLi1になる。
  • ho2は最後の文字なので変調しない。
  • よってLi1ho2となる。


「お会いできて嬉しいです」

Chin1 hoan1 - hi2 kap li2 sek8 sai7(ジンファンヒガッリシッサイ)

  • Chin1>Chin7
  • hoan1>hoan7
  • hi2>hi1
  • kap(入声で終わるので4声)>kap8
  • li2>li1
  • sek8>sek3
  • sai7はそのまま


これで,声調について抵抗感を払拭することができたら,次はちゃんとした会話・文法に進もう。

台湾語を独学で入門するためのリンク集 (発音や会話・文法の学習)
http://language-and-engineering.hatenablog.jp/entry/20120826/StudyTaiwaneseCh...

関連エントリー:

台湾語のあいさつなど日常会話フレーズ集 (ピンインと声調,カタカナ付き)
http://language-and-engineering.hatenablog.jp/entry/20130308/BasicGreetingsIn...